今から十年程前、学生時代は体育会のバスケットボール部でした。四年間の大半はダボダボのスウェットやTシャツ、ジャージで過ごし、普段着もジーンズにスニーカーのカジュアル派でした。
そして新卒で入った会社は都内の証券会社。一気にスカート&ヒールファッションの内勤OLに。この頃はオフの日に何を着ていいのかさっぱり分かりませんでした。学生時代と同じ格好ではさすがにまずいし、かと言って出勤服も、、、要は大人のカジュアルが全くできていなかったということです。問題はヒールのない靴がスニーカーしかなかったというところにあったのではと今になって思います。
はたまたこの三年後にはスポーツアパレルの会社に転職し、社割りやサンプルセールで安く買えるのをいいことにあまり吟味せずに服を購入。手持ちのOL服となんとかコーディネートしようとしていた格好はもはや思い出したくもないですね。
極めつけは転職して半年で妊娠し、そこから妊婦生活、授乳生活を二回繰り返すのです。
その結果クローゼットの中身はとんでもないことになってしまいました。
最初の妊娠後期から気持ちもママっぽくと、今まで手にしたことのなかったナチュラル系の服に挑戦してみました。ゆったりしているのでマタニティ服の代わりに着れて、なんだか気持ちもふわっ、ゆるっ、とするのでいいかもしれない、と思ったのです。しかし問題は寒くなってから。上記のファッション歴の中からはナチュラル系に合うアウターやブーツが一つもない!かと言って一式揃えるほど自分の服にお金はかけたくないし、無理矢理合わせて出かける勇気もなく。
結局今までに集めたものの中から無難なものを組み合わせて着ていました。
転機が起きたのは、同じく二児の母としてファッションに迷っていた古くからの友人に雑誌のVERYを勧められたこと。
今までは自分に全く縁のない世界だと思って立ち読みすらしたことのない雑誌でしたが、見れば見るほど「そうそう!私こういう服が着たかったの!」と、他に訴える人がいなかったので夫に見開きのページを突きつけたりして(笑)
お金持ちママ向けのブランドものファッションばかりかと思っていたら以外とそうれではないことに驚きました。
そして、「専業主婦/母親=ナチュラル系」というおかしな固定観念をいつの間にか自分に植え付けていたことに気付かされたのです。
もちろんナチュラル系のファッションをとっても素敵に着こなしている方もたくさんいますし、それは人それぞれだと思います。
でも私はそうではなかった。素敵に着こなすこともできなかったし、自分の本当の好みでもなかった。リラックスできるスタイルもいいけれど、これからもヒールを履いて都会に出かけたい。それが本心でした。
そうやって気持ちが吹っ切れ、ワドーローブの断捨離をしてみると、混沌としていた中にも秩序が見てきたのです。
こんなに迷走したにもかかわらず、根底にある自分の好みは変わっていなかったことを発見しました。それが分かると買う服、作る服も方向性が定まり、きちんと吟味するようになりました。パターンも書店に置いてある(これまたナチュラル系の)洋裁本しか知らなかったのですが、ネットショップがたくさんあること、そして中には都会的で洗練されたデザインがたくさんあることを知り一気に作る意欲が高まりました。
こちらの写真は二人目の里帰り中に作ったもの。臨月の体型と授乳に対応できて大変重宝しました。そして自分の中でファッション革命が起きた今でも実は出番が多いです。何も考えずにガバッと被れて、着心地がいい。子供と一緒にいる生活にはこれはこれで必要なアイテムなんですね。
<上> パターン:FEMALE 2009年春号 スクエアネックスモック
生地:fabric bird
<中> パターン:自作
生地:ユザワヤ吉祥寺店(naniIRO Fuwari fuwari ひかりの園)
<下> パターン:『今着たい服作ろう!』Vあきのチュニック
生地:fabric bird
レース:祖母の手芸用品より